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北アルプス 槍ヶ岳展望 常念山脈を行く 

2019年5月1日~5日 北アルプス 槍ヶ岳展望 常念山脈を行く  メンバー:藤・筒・西

 当初の計画は、上高地から入山して、蝶ヶ岳、常念岳、大天井岳と南から北へと縦走、ここより南西方向に折り返して東鎌尾根から槍ヶ岳を登頂し、槍平・新穂高温泉方面へ抜けるというものだ。目論見としては、日本のマッターホルン槍ヶ岳を眺め尽くす・・というもので、技術的課題と言うよりは、体力的課題が中心であると考えていた。しかし、このルートについて調べてみると、残雪期に東鎌尾根から槍ヶ岳に登った記録は余りなく、途中敗退のものも少なくない。表銀座の名称に反して、大天井岳から槍ヶ岳までの行程はチョットしたバリエーションであることが判ってきた。それでも西岳まで辿り着ければ、水俣乗越から槍沢方面に下りて、槍ヶ岳または上高地方面に展開・敗退が可能であろうとの見込みであった。さて実際は・・・。
 4/30 19時に阪急西宮北口駅に集合し車で出発。平湯温泉の手前のほおのき平駐車場で仮眠。
 5/1 平湯温泉のアカンダナ駐車場にクルマを移動させ、バスに乗換て上高地へ。6:25に歩き始める。天気は小雨模様。途中、サルの群れに遭遇。みんな丸々と太っていて健康そう。小ザルも楽しそうに遊んでいた。木の芽など春の恵みが豊富なんだろう。
 徳沢に8:30到着。雪の全くない、仰ぎ見る急坂の尾根が徳沢園の向こうに盛り上がっている。「あー、この重荷を背負って、あれを登るのかー」と少々げんなり。
 急坂を登ると次第に雪が増えてくる。どこがピークか判らない長塀山までは急登が続くが、以降は一変して尾根上に窪んだ平地が出現する。雪に埋もれているが妖精の池というのがあるらしい。最後はゆるゆると登るとピークに15:20到着。山頂はイマイチ頂上感がない。蝶ヶ岳は複数のピークとその間の緩い地形で出来ていて、立地的に多様で花の山として有名だ。山岳と言うよりも高原って感じだろうか。蝶ヶ岳ヒュッテに到着した頃には小雨も止んでいた。テン場にて幕営。筒さんの味噌汁雑炊うまい。
 5/2  4時過ぎに起床。朝飯を腹一杯食べて7時に出発。槍穂高上空の雲はとれないが天気は晴れて気持ちが良い。屏風岩、岳沢、涸沢などが間近に見える。春になってから降雪が多かったため岳沢や涸沢は大量の雪で埋もれているのだが、我々の行く手の常念岳方面は尾根の夏道がほぼ露出している。雪の多寡が場所によって大きく異なっているようだ。
 常念岳は、御承知のとおりピラミッドのような美しい形をした山で、南北方向に直線的な裾を引いている。砂時計の砂山のように、空の一点から大量の礫を落として出来たような山容で、乱雑に積み重ねられた礫ばかりで巨大な露岩や土砂を見ることがない。また、面白いことに、南からの登りの間は赤っぽい粘板岩?と花崗岩が混じっていたのに、頂上付近から北側は花崗岩ばかりになった。
 そんな山の形のせいだろう、山頂は遠くから見通せるのに、いつまで経ってもピークに達しない。疲労で足が上がらなくなってきた頃、ようやく頂上の祠が見えた。常念岳山頂13:00到着。穂高槍方面の雲もほとんど取れてきて、頂上からの景色は最高だ。
 計画のルートである東鎌尾根も明瞭に見える。槍ヶ岳直下は明らかに北鎌尾根より厳しい。その手前の西岳の下降も厳しそうだし、その前の赤岩岳稜線の凸凹も時間を食いそう。だいたい雪の量が、常念山脈とは全然違う。細い雪稜通過が長そう。厳しい!
 山頂で30分の長い休憩の後、常念小屋へと長い単調な下り。常念小屋到着14:30。雪の無いテン場に幕営。正面に槍ヶ岳が見える最高のロケーションだ。
 以降のルートについて相談。相当疲労も溜まってきているので、常念小屋から安曇野方面への下山ルートであるヒエ平への一ノ沢ルートを含めて検討したが、燕岳-合戦尾根ルートという手があることを踏まえ大天井岳まで予定どおり行くことを決めた。
 夕食は藤さんのレトルトカレー。重さの分の旨さありです。夜は強風。
 5/3 4時に起床のはずが、5時前に「御来光やで」との藤さんの声で起きる。夜通しの強風のせいで余り眠れなかった。強風の中でのテント撤収に手間取り7:20出発。風が強く、体重の軽い筒さんは度々バランスを崩すほど。幸い気温が高く助かったが、低温であれば行動を躊躇しただろう。
 横通岳のトラバース道以降は風も止み、地形も緩いため快調なペース。「もしや西岳方面に行けたりする?」などと期待を込めた妄想が頭をもたげてくるが、大天井岳へのアップダウンを経ると「やっぱ無理か」と考え直す。
 視点の移動に伴って槍ヶ岳の後に背後霊のような黒々とした小槍が見え始める。11:40、大天荘の冬期小屋に到着。今晩は冬期小屋を使わせて貰おう。明日の進路は燕岳方面と決定し、休息後に大天井岳頂上へ散策に向かうことにした。景色をゆっくり楽しむ。早めの夕食(西の麻婆春雨)の後、筒さんは再度一人で大天井岳頂上へ散策。冬期小屋の同宿者の話によると、テント泊の3人組が東鎌尾根をやるらしい。この時期の東鎌尾根は北鎌尾根より難しく、エスケープルートの水俣乗越は雪崩の巣だとのこと。同宿者3名が素早く寝たので我々も釣られて早く寝た。
 5/4 雲一つ無い好天。朝飯前に筒さん一人で再び大天井岳頂上へ。残る二人は冬期小屋近くで御来光を見る。朝飯を食って、7時に出発。大天井岳頂上で再び景色を堪能。筒さんに展望の山名を教わる。「よく判るねー」と思っていたら、燕岳方面から単独行のおじさんが現れ、山の解説をし始めた。筒さんが質問を連発。「おじさんを早く解放してあげて!」とも思ったが、一つ一つ丁寧に答えて下さいました。有り難うございます。
 頂上を少し降りたところでライチョウが間近に現れた。ライチョウは昨夕より何度も姿を現してくれていた。繁殖期の縄張り争いで、目立つところで鳴いたり、雄2羽が鳴きながら飛んで追いかけあったりしていた。
 今日のルートは、ゴールである燕山荘と燕岳をずーっと眺めながらの散歩道。登山者がメチャクチャ多い。燕岳は花崗岩が露出した岩山。この山の花崗岩は何故か鈍色をしていて、鋼鉄の要塞のようだなと何時も思う。燕岳に近づいてくると露岩・奇岩が目立ってきて、さながらロックガーデン。冬季ルートにある、岩穴を潜るところは中々面白かった。12時半、燕山荘に到着。混み合ったテント場に場所を確保してテント設営。天気が良すぎて夏のように暑い。今日も昨日同様、休息後に山頂まで散策。槍ヶ岳の後ろにあった小槍が横に並ぶように見えてくる。うー、しかし人が多い。
 持ってきた酒を前日までに飲みきってしまったので、小屋でビール・日本酒・酎ハイ・ウィスキーを購入して飲酒。寝てしまう。
 5/5 今日もいい天気。6:20に出発し合戦尾根を下る。緩やかな雪尾根をしばらく下るとコメツガ林の中へ。暗い樹林帯の中を延々と下る。冬枯れした明るいカラマツ植林地が出てきたらゴールは目前。9:35に中房温泉の登山口のバス停到着。始発のバスにギリギリ間に合った。
 以降、列車・バスを乗り継いでアカンダナ駐車場まで。平湯温泉で汗を流してから大阪に向けて出発も、渋滞やら事故通行止めやらで、大和八木駅で奈良県組の二人を降ろしたのは23時の少し前だった。
 重荷を背負っての丸5日間、お疲れ様でした。少し長めの縦走は楽しく贅沢なものでした。3人での合宿形態となって楽しかったですね。発案者の藤さん、後から参加してくれた筒さんに感謝です。また今回の山行では、一昨年春の黒部横断に続き、槍ヶ岳東鎌尾根という課題が残りました。今後の計画に活かしていきたいと思います。
 何より、藤さん、筒さんともにブランクからの完全復活山行となりました。大変目出度いです。 
                               
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Author:大阪同窓山岳会
大阪府山岳連盟所属の大阪同窓山岳会です。会員数14名の小さな会ですが、ハイキング、クライミング、沢、縦走、雪山と年間を通じて楽しんでます。集会は月1回梅田で行っています。会活動に興味のある方は、メニュー欄のカテゴリ「about us」を御参照ください。連絡先:dososangaku@gmail.com  です。

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